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業務フローが重要視されない問題

業務を可視化すると言うと真っ先に思いつくのが業務フローではないでしょうか。

しかし以前は、業務フローはそんなに注目はされていませんでした。
業務フローが注目されるようになったのは内部統制の導入からではないのかと思います。

海外のあるアウトソースの会社で聞いた話なのですが、
仕事を依頼する際に、海外のお客様は絵やフロー図を交えて文書を送って来るのですが、
日本は字だけの書類を送ってくるのでわかりづらいと言っていました。

確かに昔は文書だけの書類で会議をしていました。
ただ、今の時代はパワーポイントを使用して絵やフロー図などで説明する会社も多いでしょう。

《言葉で伝えるということ》

人間の基本的なコミュニケーションは会話です。それは各国共通でしょう。
日本人は言葉のコミュニケーションが弱いとも言われています。
日本には独特の「阿吽の呼吸」とか「空気を読む」という文化があって、語らず察するというものかもしれません。

そうして会話以外の手段としては文書が用いられます。
先ほどの海外での話は、日本人が日本語で書いたものを日本人が見ても解釈を間違うのに、
ましてやその国の言語にしたもので正確に伝えるのは難しいのではないかと考えます。

それ故に、他の国では絵やフロー図を使って伝えるというのは非常に合理的であり確実なものと言えるでしょう。

あるシステム開発の場で、仕様について検討をしていました。
私は第三者としてその場にいました。

そこでいろいろな議論をして話が進みます。
私はその話を聞いて、「本当に同じものを見ているのだろうか?」と疑問がありました。
今ならホワイトボードに書きながらと言うこともできるでしょう。

しかしながらホワイトボードに書くことも無く、ビジュアル化された資料を使うことも無く、
話が進むというのもよくある話です。

その結果として、話していた内容と全然違う仕様を持ってきて、
またそこから話が始まるという大変無駄な時間を過ごしたことを記憶しています。

《フロー図を描かないが故の問題》

業務分析をして現状を把握します。

例えば受発注業務の負荷が高いのでこれを改善したいとします。
そうしてすぐにRPAを導入するなどで、解決方法を考えがちです。

負荷が高いのは単に入力だけの話なのでしょうか。
ここで業務フローを描くと、入力以前に入力情報の誤りが多く、そこが負荷の原因だったりします。
この場合はRPAが最も効果的な解決方法では無いということになります。

また在庫が過剰気味であるという問題があるとしましょう。
なぜ在庫が過剰かというと在庫の状況が見えないからということになりました。
そうして在庫状況を見えるようにしました。

ところが在庫は一向に減りません。

答えは、在庫を見えるようにしただけで、見えてどうするという議論が無かったので、
誰も在庫を見ていなかった、または見ても特段手を打たなかったと言うことです。

ここでも在庫を管理するフローがしっかりと描かれていなかったことです。
業務を改善する際に、問題事象にとらわれ過ぎていて、業務フローのことは議論されないことが多いのです。
在庫を管理するフローを描くことで、在庫状況の可視化以前の問題が見えてくる場合があります。
また、どうして在庫が過剰になるのかの原因も見えてきます。

《プロセスフローで考えることを身につける》

とある会議で口頭ベースでの議論がされていたのですが、ある時業務フローで説明したところ、
そのリーダーは、「業務フローはどうなってる?」と必ず言うようになりました。

今はWeb会議を導入して拠点間で会議をする会社も増えていると思います。
そのWeb会議はずっと対面だけで行われているのでしょうか?
多くは資料を共有して話していると思います。
Web会議だと表情からは読み取りづらいものがあるので、ビジュアル化された資料は必須になるでしょう。

業務を改善する際も、単に対面ヒアリングをして状況を聞き出すよりも、
業務フローを描いて確認した方が、問題の本質やボトルネックを知ることができ、
結果的に効率的で且つ結果の出せる業務改善施策に辿り着けるものだと思います。

特にオンラインで共有したりモニターに映し出したりして会議ができるこの時代は、
業務フローを描きながら話をするととってもスムーズに会話ができると思います。

みなさんもどうぞお試しください。

ハリー

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