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景気の波から学ぶ

景気の波というのは一定の波形で浮かんだり沈んだりしています。
有名な景気循環論として4つの循環があります。

【キチン循環】
短期波動で在庫変動が起因によって起こる循環です。
約40ヶ月周期で訪れると言われています。

【ジュグラー循環】
中期波動で設備投資が起因によって起こる循環です。
約10年周期で訪れると言われています。

【クズネッツ循環】
住宅や商工業施設の建て替えの期間に相当する建設需要が起因です。
約20年周期で訪れると言われています。

【コンドラチェフ循環】
長期波動で新しい技術が開発され景気が盛り上がる技術革新の波です。
約50年周期で訪れると言われています。

これらを踏まえて自分自身が実体験の中でこの波をどう感じ、
これからどうして行くのがいいのかを考えてみたいと思います。

《戦後から復興した日本》

戦後の日本は戦争からの復興に向かっていました。
この様子は小説の『官僚たちの夏』に描かれています。
当時の池田勇人総理が『所得倍増計画』を打ち出します。
道路が整備され、洗濯機やテレビが普及し始めます。
そして復興のシンボル的存在として東京オリンピックが開催されました。
大阪万博も開催され景気が盛り上がっているような感じです。

しかし実感的には所得が上がっても物価の上昇がそれ以上で
庶民の生活はそこまで豊かになっていたのかというとどうなのでしょう。
「インフレ」とか「物価高」と言うワードが飛び交い、
当然ネガティブな言葉として捕らえていました。
経済が発展すると工場もたくさん稼働して、公害も問題になっていた時代です。

ただ景気の波動としては正に上昇中だったのでしょう。
これを「いざなぎ景気」と言っていました。
これに水を差したのが「オイルショック」です。
でもこの頃は多くの国民が豊かな生活を目指し、世の中は需要が溢れていました。

《バブル経済の到来と崩壊》

その需要が過度な状況になったのが「バブル景気」だったのかと思います。
多くの人がお金を持っていて供給が追い付かない状態です。
国民は海外に行きブランド品を「爆買い」しました。
ブランド品どころか海外の有名企業も買収しました。

世の中は本当に浮かれていました。
需要はいくらでもある、仕事もいくらでもある、人は常に足りない状態です。
そのために賃金はどんどん上昇して行きます。
常にお金が入って来る状態なので、今のような「内部留保」も必要ありません。

そうしてバブル景気は崩壊しました。
バブル景気とは後から付けられた名称で、
あの盛り上がりは「泡」が盛り上がっただけで実態は伴っていなかったという意味です。
そうして暗黒の30年が始まります。

景気の波は常に繰り返されて行くのですが、
この「バブル経済の崩壊」が最もダメージが大きかったのではないでしょうか。
多くの会社が倒産をしたのですが、印象的なのは銀行や証券会社の倒産です。
この頃は、あんなに光り輝いていた世界が一瞬で真っ暗になったような感じでした。

《上がらない賃金》

このことを教訓に、企業も人もお金を使うことを控え、貯め込み、
今度このようなことがあっても耐えられるように備えました。
この状態が常に上がり続けていた賃金の上昇にストップをかけるようになりました。
人手不足の状態は人を確保するために賃金を上げなければなりませんが、
そうでなければ上げる必要はないのです。
会社も賃金が安いに越したことがありません。
そしてデフレの時代もやって来ます。「安いものは売れる」そんな時代です。

モノを安く作るために人件費を抑え、人件費の安い海外に進出して行きます。
足りない労働力は世界レベルで見ると足りてしまっているわけです。
バブルの時代ほど需要は高くは無く、労働力を海外に目を向けているのでは
賃金が上がるわけがありません。

そして新しい波が来ます。「いざなみ景気」です。
「いざなぎ景気」や「バブル景気」を抜いた長期の好景気が訪れます。

しかし実感はありましたか?
多分、そんなに景気がいいという実感は無かったと思います。
それは賃金が上がらなかったからです。
豊かになったのは企業で人の生活はそこまで変わらなかったのです。
そのお金が「内部留保」となったわけです。

そしてこの景気に終止符を打ったのが「リーマンショック」です。
「バブル崩壊」は日本国内のことなのですがリーマンショックは世界恐慌です。
この痛手はバブル崩壊以上なのですが、
バブル崩壊ほどの傷を負わなかったのが「内部留保」のおかげだったのです。
バブル崩壊で学び、それを生かした状態でもあったのでしょう。

そして「アベノミクス景気」がやって来て「コロナ不況」がやって来ます。
最初に話をしました景気循環論は【コンドラチェフ循環】以外は
ある意味では黙っていてもやって来る景気循環です。
そこに政府の思惑なども加わり景気の波が高くなったり長期で続いたりします。
しかし歴史は繰り返すといいますが、この景気の波が全く同じではないのです。
企業が内部留保をしたように不況には教訓があり、その教訓を持って新しい時代を迎えているのです。

《アフターコロナを考える》

新型コロナウイルスが蔓延して、行動が制限されました。
「3年ぶり」という言葉が飛び交っていますが、
だんだんと新しい時代が始まろうとしています。

しかしバブル経済が崩壊しリーマンショックが到来し、
経済行動が委縮しているもの事実でしょう。
時代はグローバルです。世界基準も重要な要素です。

次の不況に備えることも大切ですが、不況に備えることに目が行き過ぎで、
「成長」という言葉を忘れてしまっているような気もします。
「日本だけが置いて行かれている」そんな言葉も聞きます。
保守的な日本人らしさかもしれませんが、景気の波をより高く、
より長くするのは国民ひとりひとりの意識の持ち方かもしれません。

テレワークが当たり前になり、新しい考えの企業も続出することでしょう。
このような景気の波にうまく乗れる企業や個人は生き残り、
波に乗れなければ波に飲み込まれてしまうのでしょう。

景気の波を捕らえその波にうまく乗って行くことの大切さを学んだような感じでした。

ハリー

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