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「見える化」という言葉について

「見える化」という言葉に違和感を覚える人も多いかと思います。

そもそも「見える化」という言葉自体が状態を表す「見える」という動詞に、
接尾語としての「化」をつけたもので日本語としては一般的な使い方ではありません。

「話せる化」とは言わずに「口語化」と言ったり
「習慣」という活動に「化」がつけば「習慣化」という状態を指す言葉になるように
名詞である「可視」に接尾語の「化」であれば「可視化」となりこちらは耳にもスムーズに入ってきます。

では、なぜわざわざ「見える化」という言葉を使うのか
それは「見える化」と「可視化」に明確な違いがあるからです。

「見える化」と「可視化」の違い

そもそも「見える化」という言葉が一般的に使われ始めたのは
1998年にトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の岡本渉が発表した「生産保全活動の実態の見える化」という論文からで、「見える化」はトヨタの製造現場で生まれた用語です。

トヨタにおける当初の「見える化」は
製造ラインにおける異常を知らせるランプによって欠陥やトラブルを視認できるようにし問題が発生してもすぐに解決できる環境、ひいては問題が発生しにくい環境を作り上げ「目で見る管理」を実現しました。
つまりは、「見たいと思わないときでも半強制的に見える環境」こそが「見える化」です。
(その後トヨタは2000年前後、会計制度の改革として「会計情報の開示による見える化」を実施し、製造現場のみならず企業活動全般において「見える化」の重要性を知らしめます。)

これに対して「可視化」とは
言い換えると「見ることが出来る状態にすること」
「見たい人が見ようと思ったときに見たい情報を見ることが出来る環境を作ること」です。
つまり、見る人によって解釈が違ったり、そもそもポジティブな情報しか見たいと
思わなかったりするかもしれないということです。
単なる数値のデータベース化では、「見える化」とは言えません。

「見える化」という言葉は2000年代以降、辞書にも掲載されるような公用語として定着しましたが、一部流行語的な普及/浸透のなかで拡大解釈がすすみ、昨今では「病床必要数の見える化」といった、単に「情報公開」を意味する使われ方も目立っています。
こうしたなかで「見える化」と「可視化」を混同されている人も増えていったのではないでしょうか。

業務改善における「見える化」

企業活動においては「可視化」をするだけでも非常に労力が必要となり、勿論それに見合った効果も期待できます。
(この労力と効果によって「見える化」が出来たと勘違いしてしまうことも多いのですが…)

そして、「見える化」を実現するには「可視化」された現状をきちんと把握し、
問題点や改善点を「見せる」という断固とした意思決定が必要となります。
どれだけIT化が促進され、データベースの作成が容易になり、AIが発達したとしても
このマインドは無くなることはないでしょう。
業務改善における「見える化」は一朝一夕に実現できるものではありません。

「可視化」された現状から「課題を抽出」し、「改善施策を計画/実施」し、環境として「習慣化」する。
この一連のサイクルが回ってこそ、本当の意味での「見える化」の実現と言えるのではないでしょうか。

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