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うちの会社は特別な会社

「うちの会社は他の会社と違うんですよ」とか、
「うちの業界は特殊なんですよ」などの言葉をよく耳にします。
なぜそのように思うのでしょうか?

《何をもって特別なのでしょうか》

結論から言います。今まで数百社のコンサルをやって来ましたが、
特別な会社はほとんどありませんでした。もちろん多少の違いはあります。
でも劇的に「変わってるなぁ」と思った会社はほとんどありません。

何故「うちの会社は特別」だとか「うちの業界は特別」と思うのでしょうか?

ひとつは「隣の芝生は青く見える」という現象です。
新卒で入ったプロパー社員が言っているので笑ってしまいます。
多分、会社で大変な目に遭って「きっと他の会社はいい会社なんだろうな」
と思ってしまうのではないでしょうか?

また、転職して入ってきて今まで経験した会社と違うので「特別」と思っているのかもしれませんし、
業界を変えて変わった業界だと思っているのかもしれません。
でもこれは、AとBが違うと言っているだけで、何を持って「特別」だと思うのでしょうか。
もちろん、A社、B社、C社、D社と渡り歩いて、AとBとCはほとんど同じでDだけが違っていたら
特別に思うかもしれませんが、それも了見が狭いです。

何百社と転職している人はいないと思います。
もしかしたら派遣社員の方で、いろいろな会社や業界を経験してそう思う人もいるかもしれません。
様々な会社を見てきたコンサルタントが「ここは変わった会社だなぁ」と思うのならわかるのですが。

実はこの話には続きがあります。
「うちの会社は特別です」「だから業務改善はできません」となるのです。
業務改善をしたくない言い訳にも聞こえます。

《特別な場合もあります》

但し、本当に特別な場合もあります。
あまりにもニッチ過ぎて、ビジネスモデル自体を理解するのに時間を要するような場合です。

また、「変わった会社だなぁ」と言うレベルで無く、「変な会社!」と言うような場合があります。
こう言うのは、だいたいは経営者がちょっと変わった人みたいな場合です。
それはそれで経営が成り立っているのであれば、どうこう言う問題ではないのですが、
社員の方々が何も言わずに黙々と働いているのには驚かされます。
変わった会社というより、変わった風土という感じでしょうか。

また非常に安定しているような会社や業界の場合は、仕事以外のことに熱心な方々がいて、
これも業務改善の阻害要因であり業務改善以前の問題となります。
本業以外の仕事がたくさんという変わった状況です。

後は営利目的でない会社とかでしょうか。
会社は利益を出してナンボなのですが、特別な事情でそのような会社も存在します。

《業務はたったひとつのパターンで動いている》

基本的に業務というのはたったひとつのパターンしかないのです。

インプットされたものを処理してアウトプットを出す
これがリレーのように流れて行きます。全てこれだけです。
この流れを業務と言います。
※業務の定義はいろいろありますのでここではこれを業務とします。

イベントプロセスチェーンが正にこの考え方です。
作業には待機イベントがあります。
その待機イベントに情報やモノが流れて来ます。
待機イベントがインプットを待っています。
インプットが流れて来たら処理に渡され処理をします。
その結果をアウトプットとして待機イベントに引き継ぎます。

■伝票の流れ
待機イベントが伝票を待っています。
伝票が渡されます(インプット)
伝票の内容を入力します(処理)
伝票のデータがデータベースに格納されます(アウトプット)
このデータが使われるまで待機イベントになります。
また紙の伝票はファイリングされます(アウトプット)
この紙は何かで参照されるまで待機イベントになります。

厳密に言うとこのファイリングも流れがあります。
伝票の入力終了待ち(待機イベント)
伝票の入力が終了して伝票が渡される(インプット)
伝票をファイルする(処理)
ファイルを格納する(アウトプット)

■会議の流れ
待機イベントが会議の開始時間を待っています。
会議の議題(インプット)
会議で議論する(処理)
議論の結果(アウトプット)
議論の結果が待機イベントに格納され、
議論の結果が活用されるまで待ちます。

会議の流れがこのようなものであれば議題の無い会議や結論の出ない会議は
業務では無いということになります。
居酒屋会議と言っているのがそれでしょう。
もちろん結論が出ずに保留になる場合もあります。
この場合は保留がアウトプットで次の会議で起動します。
しかし何の結論も出ずに終わり、次の議題にもならなかったら
正に「無駄な会議」です。

そう考えてみると特別な業務は存在しないと言うことになります。

ただし特別と言うのであればそれは処理の方法です。
これが何かのノウハウなのか、システムの処理なのか、ここは業務のキモとなるところです。
この処理の中身はいろいろと特別なことがありますが、業務自体が特別というものではありません。

業務改善とは業務の
・インプットを変える
・処理方法を変える
・アウトプットの形態を変える
などを行うことだと思えばわかり易いのではないでしょうか。

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