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業務改善施策を検討するためのヒント

業務改善のフレームワークは本当に使えるものか?

業務改善に関係するフレームワークは世の中にたくさんあります。
それを知ってはいても、うまく活用するイメージがわかない、という人は多いのではないでしょうか。
「机上の空論っぽい」なんて印象を抱く方も多いかもしれません。

業務改善フレームワークの有名どころでは
業務改善の3原則
・なくせないか
・へらせないか
・かえられないか
頭文字をとってNHK、なんて呼ばれ方もしています。
まずこの業務そのものをなくせないか、ボリュームを減らすことはできないか、やり方を変えることはできないか、
業務改善の施策を考えるための切り口として利用します。

ECRS
・Eliminate(廃止)
・Combine(結合)
・Rearrange(入替)
・Simplify(簡素化)
これも業務改善の施策を考えるときに活用されるフレームワークです。業務そのものをなくせないか、一緒にすることで効率化できないか、順番を変えることで効率化できないか、簡単な作業にできないか、と考える手法です。

そのほかにもバリューチェーンやロジックツリーなど、「業務改善 フレームワーク」で検索すると良く登場するフレームワークは多々あります。これらの世に存在するフレームワークをきちんと活用し、業務改善のタネとするにはまず業務の可視化が必要不可欠です。
単純に、日々忙しく業務を行っている部門に対して「なくせる業務はないか」「減らせる業務はないか」と投げかけても「そんなものはない!」「そんなことをする暇はない!」と反発されてしまいます。

業務の可視化がスタートライン

まずは少し協力をいただいて、部門内業務を可視化してみましょう。

BPECの業務量可視化は、その部門にどのような業務がどれだけ存在しているかを視覚的にとらえることが可能です。ここでは、とある営業部の業務負荷をグラフで表示しています。
こうしてみると、「受注入力」という業務に大きな負荷がかかっていることが分かります。
営業部本来の仕事と思われる、営業訪問のための移動や、商品紹介も多くの時間がかかっていますが、事務的な入力作業の負担がとても大きいことが分かりますね。でもこれだけでは可視化は不十分です。「受注入力」という高負荷業務は一体どんな作業を行なっているのでしょうか。

ここで有効なのが、業務フローを描いてみるという方法です。
「受注入力の業務のやり方を教えてください」という形でフローを描いていきます。

業務フローを描くことで、具体的にどんな作業をどのように行っているかが明らかになります。
作成した業務フローは、そのまま作業マニュアルとして業務の引継ぎや新入社員へのOJTにも活用できます。

フレームワークの実践的活用法

さて、ここまで業務が「見えて」くると、フレームワークの活用しどころが見えてきます。

業務そのものがなくせるか、といったらなくせる業務ってすごく少ないはずですよね。
もちろん、業務の可視化を行うことでそういった不要業務や過去からの慣習を続けている優先度の低くなった業務も明らかになりますので、なくせる業務も出てくるかもしれません。
しかし、そのような特殊な例を除いて、部門において業務のボリュームゾーンを占めているのは「必ずやらなければならない業務」です。この「必ずやらなければならない業務」をどのように改善していくかを考えるときに前述したフレームワークを活用します。

・作業の重複や、不必要な承認はないか
まずは「なくせないか」という観点で見てみましょう。業務そのものをなくすことは出来ない必要な業務の場合であっても、その作業プロセスの中には無駄な作業、やめることの出来る作業があるかもしれません。例えばシステムのデータ連携や部門間の情報共有が不十分で2度3度と似たような入力をしないといけない、システムから出力したものをエクセルで加工してシステムに戻している、などのケースです。
また承認工程が煩雑で待ち時間を取られている、といったケースもあるかもしれません。
こうしたプロセスは、システムの機能追加や電子承認の導入、あるいはもっと単純に情報共有方法の見直し、だけで作業そのものがなくなるかもしれません。

・時間のかかっている作業は何をしているのか
次に「減らせないか」という観点です。フローを描き、ひとつひとつのアクティビティの内容と1件あたりの処理時間を明らかにすることで、「作業のボトルネック」が判明します。業務プロセス上でもっとも負荷をかけている部分はどんな作業かを確認していきましょう。
システムや書類への入力項目が多い、処理時間は短いが単純に入力件数が多い、作業工程が長い、システム機能の不足による作業増加、さまざまな理由が考えられます。処理時間が短くて入力件数が多い場合は削減が困難かもしれませんが、それ以外の理由の場合は変更できる部分があるかもしれません。例えば入力項目が多い場合は、たくさんの入力項目をドロップダウンリストで補う、コード化する(男性・女性を1・2と入力する)、郵便番号から住所を自動入力する、など。また作業工程が長い場合にはその中身を具体的に明らかにしていくことで同じように削減余地を発見できる可能性がありますし、システム機能の不足など作業者が明らかに問題を把握している場合は解決すべき点も自ずと明らかになってきます。ECRSでいう「Simplify(簡素化)」にあたります。

・作業の流れにリスクやムダがないか
そして「変えられないか」という観点です。ECRSでいう「Combine(結合)」「Rearrange(入替)」「Simplify(簡素化)」にあたる部分です。
例えば、それぞれが実施していた処理をまとめて実行する(Combine)ことで生産性をあげることが出来る場合もあります。業務配分上、正社員が行っていた事務処理を事務職に移管することで部門全体の生産性向上を図ることが可能です。
また、仕入や注文などの処理をエビデンスなしで実行している、などのリスクがある場合、業務プロセスを入れ替える(Rearrange)ことによってリスク低減を図ります。これは直接的には負荷削減とは関わりませんが、部門全体のリスク低減はクレームやトラブル対応の時間削減に貢献します。
業務フローを描くことで、作業の手順が明らかとなります。作業マニュアルとして活用することでこれまで特定の人が行っていた作業を他の人が出来るようになる効果があります。業務改善のための可視化ステップである「業務フロー作成」自体が、業務標準化・簡素化のための施策としても役立ちます。

このように、一見抽象的で実用的なイメージのわきにくいフレームワークですが、業務を可視化し作業の流れをきちんと把握することで、具体的な施策を検討するためのツールとして活用することが可能になります。
学んだフレームワークを絵に描いた餅にしないためにも、有効な活用方法をぜひご検討ください。

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