業務改善の進め方
業務改善プロジェクトを進める4つのポイント(後編)
今回は、前回に引き続き、業務改善を進める上での4つのポイントをご紹介します。
前回のおさらいです。
まずは、改善のゴールを設定すること!
ゴールを設定しない業務改善プロジェクトが何と多いことか。
「何のために」「どのような手段で」「どうなって欲しい」ということを
決めずにプロジェクトが実施され、
結果として改善されたのかどうかわからない状態でプロジェクトの徒労感が
残っているのが現状の業務改善活動です。
ゴールは減らすことだけでなく、今まで本来できていなかったことを増やすのも、
ゴールになります。
次に改善施策を選択する!
改善施策にベストな選択はなく、いかに多くの引き出しをもつか、または多くの
引き出しを求めて歩くか、多くの引き出しをもっている人に頼るかなどです。
また、複数の解決施策の中から、
・効果は大きくはないが即効性があるのか
・予算内に収まるのか。
・予算以上だが、それ以上の効果が期待できるのか
・実現性が高いのか
などを考えて選択します。
それでは3つ目のポイントについて解説します。
■業務改善のポイント その3【業務での運用を考える】
先ほど改善施策の選択のポイントに「実現性が高いのか」と記載しましたが、
最も重要なことであり、意外と見落としがちなことなのです。
実現性の無い改善施策とは何でしょうか?
正に、「絵に描いた餅」です。
でも実現性を実証するのは、トライアルでも実際に入れてみないと駄目だと考えがちです。
ひとつの考え方として、施策を実施するための新しい業務フローを描いてみることです。
新しい施策を考案するとき、例えばシステム機能の話でもいいです。
私はその場に立ち会ったことがありますが、会話だけで話がどんどん進んでいます。
私はその時は意見を言う立場になかったので静観していましたが、
きっとお互いの頭の中には違う絵を描いているんだろうなと思いました。
口頭では息が合っているように見えるのですが、違うプロセスの話をしている
可能性があります。もちろん、お互いに正しいプロセスを描いているかもしれません。
ですから、それを確かめるためにも新しい業務フローを描いて、お互いの認識に
齟齬が無いかどうか確認するだけでも全然違うと思います。
ホワイトボードにいろいろ書いて話をしますよね。まさにそれです。
単に文字を羅列するだけでなく、流れを描いてみるのです。
ある会社でも業務フローを描く習慣が無かったのですが、1度業務フローを描いて
話をしたら、次からは「フローはどうなってる?」と必ず業務フローの作成を
求めるようになりました。
業務フローで描くことでお互いに理解を深めることができ、実際に業務を実施する
人の合意も得られ易いということです。
現状の課題を提示し。ゴールを設定し、施策を提示し、その運用を描いたものが、
業務改善計画書になるのです。
■業務改善のポイント その4【実行計画を作る】
さて、業務改善計画書が完成しましたが、業務改善計画書だけで業務改善が
できるでしょうか?
これも業務改善計画書を作ることがゴールになってしまって、実際に業務改善活動
がなされなければ何も変わらないということになります。
業務改善活動を実施する上で重要なポイントが実行計画です。
どうして業務改善活動は実施されないのでしょうか?
それは業務改善活動は、最終的には現業を行っている人の協力が不可欠だからです。
実際に業務を実施する人ができなければ、これも「絵に描いた餅」になるという
ことです。
業務改善活動は、面倒であり、工数もかかり、業務の隙間をぬって実施されなけれ
ばなりません。
そのためには、緻密な計画が必要になります。
重要なポイントは、
- 「誰が」
- 「いつまでに」
- 「何をしなければならないのか」
と言うことです。
業務改善活動の実施者、責任者を明確にします。
そして、細かいマイルストーンを決め、マイルストーンごとに「何をして」
「その結果どうなっていなければならないのか」を記載した計画書を作成します。
プロジェクト活動を実施する際に、WBS(Work Breakdown Structure)を
作成すると思いますが、正にこれです。
この細かいタスクとマイルストーンが実行計画になります。
たまにガントチャートで表す場合もありますよね。
業務改善活動はプロジェクトですので、同じような計画が必要になるということです。
WBSに関しては、インターネット上でもたくさんの記事がありますし、
世の中ではプロジェクトマネージメント手法としても取り上げられています。
■まとめ
本日のことは以下にまとめます。
1.人によって思い描いているプロセスが違う場合があります。また、第三者に
伝える場合も、言葉よりも文字よりも絵です。
改善後の業務フローを描くことで、お互いの思い違いを防ぎ、正しく担当者
に伝えることができます。
2.業務改善活動はプロジェクト活動です。改善計画があり、実施要領があり、
きめ細かいタスクの設定が必要です。
そして何よりも、それをやり抜くためにリーダーシップやトップダウンの
協力も必要です。
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