業務改善の進め方
脱・エクセル!
エクセルの功罪
エクセルが無かった時代を思うと、全て手計算で紙で作業をしていたと思います。
実はエクセルの前にロータス1-2-3というものが存在していました。
多分その前にも表計算ソフトは存在していたと思いますが、
最終的にはエクセルがグローバルスタンダードになってゆき、
今ではどの会社でも欠かすことのできないソフトとなっています。
単純な縦横の表計算だけでも随分助かったものです。
ロータス1-2-3に出会ったときは衝撃でした。
しかしエクセルは更に関数やリンク機能やマクロで、
社内システムさながらの動きもします。
エクセルの無い会社はほぼ無く、エクセル無しには業務が成り立たない会社がほとんどだと思います。
それほど会社の業務とエクセルは一体化しているようにも思えます。
ところが、
これほど気軽に使えるエクセルのファイルが会社にどのくらい存在しているかを把握している人がいないと思います。
いるのかいらないのかわからないエクセルファイルがPCの中にサーバーの中に、
いくつも存在していると思います。
業務のヒアリングをすると、ある人は書類見ながらシステムに入力して、
ある人は、一旦エクセルに入力してからシステムに入力、
或いはエクセルのデータをそのままシステムにアップロードなど、
同じ業務をやっているのに、エクセルの存在によって、
業務のやり方がバラバラになっています。
エクセルは便利なツールではありますが、業務をブラックボックス化し、
業務を属人化し、もしかしたらそこにリスクが存在していても
誰も気が付かない状態になっているのかもしれません。
良い面はたくさんありますが、負の作用もあることを知っておくべきです。
今回のタイトル「脱!エクセル」はエクセルをやめろと言っているわけではありません。
ただ、誰も知らないエクセルが無尽蔵にあってはならないと言うことです。
エクセルを見直す方法
ここで、脱!エクセルを実施した事例を話しましょう。
実はそんなに難しいことではなく、手順は非常に明快です。
【手順1】業務の可視化
まずは個人ベースの業務の棚卸です。
ここではひとつ残らず全ての業務を明らかにします。
そして、誰がどの業務に携わっているかのマトリクスを作ります。
これが一番大切なポイントでもあります。
【手順2】エクセルの棚卸
次にエクセルを使用している業務に〇印を付けてもらいます。
その後で、エクセルファイル名称と用途を確認します。
マトリクスになっているので、同じ業務でもエクセルを
使っている人と使っていない人がわかります。
もちろん、やり方が違うのではなく作業工程の違いかもしれません。
【手順3】エクセルの断捨離
記載の無いエクセルは一旦別の場所に移し、期限を決めて消去します。
そして使用しているエクセルも本当に必要なのかどうかを検討します。
この段階になると業務プロセスの問題にもなってきますので、
業務プロセス改善がからんでくるかもしれません。
この工程は簡単ではありません。
【手順4】エクセルのシステム化
エクセルでやっていることがシステムに機能がある場合があります。
それを確認しましょう。
無い場合は、ある程度手を加えるとシステムで実現可能かどうかを検討しましょう。
マクロなども今は便利かもしれませんが、エクセルやOSのバージョンが変わると
動かなくなる可能性もあるので、やはりシステム化の検討をするべきだと思います。
特にシステムを再構築する予定があれば、このことも加えておく必要があります。
【手順5】エクセルを勝手に増やさない
せっかくエクセルが可視化されているのでしっかり管理をします。
業務上新たにエクセルを作成する場合は、例えば管理台帳に記載し承認のもと
業務で使用するエクセルとして登録する運用を作ります。
まとめ
上記はあるお客様が実際にやられた事例になります。
但し、何かを確認するためにエクセルを使うとか、
自分の備忘録でエクセルを使うとか、個人ベースのもので、
そのエクセルが他の人に渡ったり、システムのインプットにならないのであれば、
そこまで管理する必要は無いのではとも思います。
ただ、作成者不明、所在不明、用途不明で消せないエクセルが
会社にはたくさん存在しているのではないでしょうか。
業務改善の業務の棚卸のタイミングでエクセルの断捨離もやってみてはいかがでしょうか。
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