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業務改善の進め方

「属人業務」というブラックボックスを可視化する

 属人化のイメージ

■属人業務とはなにか?

属人業務が無い会社は無いと言えるくらい、業務は属人化しやすいものです。

では、属人業務とはどのようなものでしょうか?

1.特定の人だけがやっている業務

2.特定の人しかできない業務

上記ふたつは全く違った意味になります。

1は業務を効率化するために特定の人に寄せている場合です。
ただし、寄せているだけで他の人ができることが前提です。

2は「特定の人しか知らない」業務なのか、
「特定の人しかやってはいけない」業務なのかに分かれます。

特定の人しかやってはいけない業務とは、
例えば管理者の業務や、特定の資格などが必要な業務などで、
これも属人化してしまう業務に該当します。

有資格者が職場内に1人しか居ないために、
休んだ時などの対応に追われている会社も見かけます。

さて、ここで問題となるのは、
担当者が休むと止まってしまう業務です。

これもまたふたつありまして、
業務はわかっているが、現状の状況がわからないのと、
業務自体がわからない場合です。

「本日担当者が休んでおりまして、明日連絡させます」
みたいな場合は現状が把握できていない場合ですね。

業務担当がいきなりいなくなったらどうしましょう。

無くは無いですよね。
まあその後の処理は大変です。

社内であれば関連する人や部署に聞かなければなりませんし、
社外であればもっと大変です。

ここは現時点でのログを必ず残すようにして、
不測の事態に備える必要があるでしょう。

しかし、そもそも業務が見えていないと、
それ以前の問題です。

何をやっているのかすらわからなければ、
問い合わせやクレームが来るまで気が付かない
と言うことになります。

■なぜ業務は属人化するのか

なぜ属人業務と呼ばれるものが生まれてしまうのでしょうか。

理由はいろいろとあります。
例えば、社員は決められた時間まで会社に居なければなりません。

仕事が早めに終わっても帰ることはできません。
そこで「仕事をください」と言いに行くと、
早くやったがために余計な仕事を振られるかもしれません。

そこで「時間があったらやろう」とか、
「あったら便利」みたいなことを自ら始めます。
これが属人化するのですが、これはどちらかというと
リスクの低い属人化ですね。

後は、そもそも一人にしか割り当てられていない業務です。
どの会社も余剰な要員をかかえているわけではないので、
1業務1担当というのはよくある話です。

その人が辞めても新しい人に引継ぎ、そこでも属人化します。

後は、指示した人がいなくなったり、指示したことを忘れていたり。
つまりその時は必要だったけど、今は不要になったようなことなど。

ここで言えるのは、
「担当者しかわからない業務」が存在するということです。

■属人業務をどう扱うべきか

ここである事例をご紹介します。

ある人の業務がさっぱり見えないということがありました。
要するに何をやっているかわからないということです。

この人はそこそこの役職者なのですが、
ほぼ一人で黙々と仕事をしている人です。
夜遅くまで仕事をしていますし、休日出勤も多いです。

そこで業務の棚卸をすると、
聞いたこともないような業務のオンパレードです。

そこで業務ヒアリングを行うことになりました。
ここで言う「業務ヒアリング」とは、
その業務の遂行手順を業務フロー(下図参照)を描きながら細かくヒアリングしていくことです。

業務フロー例

この業務ヒアリングには、何故かオブザーバーがたくさんいました。
この人がいったいどんな業務をやっていたのか、興味深々だからです。

「このアウトプットは何に使われるんですか?」
「この業務をやらなかったら誰が困りますか?」

みたいに聞いていたら、
すべて「あったらいいな」のアウトプット」でした。
ほとんどの人は見ていない資料を黙々と作っていたみたいです。

こういった事例は、他の会社でも多々あります。
業務を可視化すると無駄な業務も見えてくるのです。

逆に「なくてはならない業務」が属人化していた場合も、
上の業務フローを描くことによって、他の人から見て「何をどのように行っているのか」が明らかになります。
属人業務はまず「見えるようにすること」が非常に重要です。
そうして見えてきたものが「これから」の組織にとって必要かどうか、
必要なものであればどのように業務配分をしていくのか、を検討していくことが重要です。

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