業務改善の進め方
システム刷新を失敗させないコツとは
以前、BPデザイナーズのブログで「なぜシステム導入は失敗するのか」
というタイトルで記事を掲載したことがあります。
ここではシステム導入における失敗を回避するポイントについてまとめています。
失敗しやすいシステム導入の特徴
まず、失敗しやすいシステム導入プロジェクトにおける最たる理由は下記に集約されます。
「開発規模の割には納期が短い」
極端に言えば多少ミスがあっても走りながら修正する、というケースもあります。
このような開発現場に「あるある」と共感される方もいるのではないでしょうか。
納期の遅れ、カットオーバートラブルは当たり前。
とにかく最後は「動けば大成功!」みたいな空気を感じる時があります。
それはなぜか?
それは、最後まで期待通りに動かないシステムも世の中にはたくさんあるからです。
期待通りに動かないどころか、最後まで動かないシステムも存在します。
失敗事例から学ぶ「業務プロセス可視化」の重要性
動かないシステムを導入したA社の事例を話しましょう。
A社より、「業務の可視化をしたい」という相談がありました。
この会社では、他の部門でシステムを導入したが、システムが業務に全くマッチしておらず、
ほぼ使えないシステムが開発されてしまったとのことです。
なぜそのようなことになったのでしょうか。
情報システム部門は要望通りに開発したと主張。バグも無く落ち度は一切ない。
要は正しく伝えなかった業務担当者の責任ということです。
ここにはありがちな落とし穴があります。
業務担当者は、「〇〇機能と△△機能と××機能が欲しい」と言います。
開発担当者は、「その機能は新システムには全て搭載されている」と言います。
実はここで抜けているのが業務プロセスなのです。
私は以前、業務担当者とシステム担当者の打ち合わせに参加したことがあります。
そこではまるで意気投合しているかのようにスムーズに打ち合わせが進みます。
でも私は「本当に通じているのだろうか?」と疑問を持ちました。
実は、お互いに「業務プロセス」を目に見える形で描いていないことで、
認識のズレがあったとしても会話の上ではなかなか気付けず、
実装段階になって業務担当者が「これでは使いにくい」ことに気付く、ということが往々にしてあります。
最初の要望を伝える段階で、単純にホワイトボードを使って絵を描くだけでも
相互の理解度合いは随分違うはずです。
今は簡単に資料が投影できる時代なので、そこまでの齟齬は無いとは思いますが。
結局、業務担当者がこの機能をどのように使うかということは
全く議論されなかったことの結果だと思います。
業務フロー図とは、業務をどのような流れで行なうかを図式で示したものです。
どのタイミングでどのようにシステムへ入力し、どんなアウトプットを出力するのか。
これを把握せずに機能面だけを網羅していても、
実際の業務の中では使いにくいシステムへと仕上がってしまいます。
可視化した情報が共通言語になる
また、こんなこともありました。
仕様が変わっていたので、担当のSEに「なんで仕様が変わったのか?」と尋ねました。
そうすると、「さあ、何に使うかは知りませんが欲しいって言われたので。」
まさに答えはここにあります。
開発側は言われた通りに作るだけです。
(それが正しいとは言いませんが)
業務に全く興味のない開発担当者に出会うことは珍しくありません。
でも業務担当者はそれをシステムでどのように実現されるのかのイメージは持っていません。
ただ必要なことだけを開発側へ伝えます。
夢物語のようなことを言ったら「そんなシステムは世の中にありません!」
と一蹴されるだけです。
このようなボタンの掛け違いから、『業務プロセス上では使えないシステム』
が導入されてしまうという問題が発生するのではないでしょうか。
そのために必要なのが「業務の見える化」です。
これが、業務担当者と開発担当者の『共通の言語』になるのです。
A社の方は「同じ失敗をしたくない」
そんな意味で業務の可視化からシステム開発をすることを決めました。
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