業務改善の進め方
業務改善プロジェクトを進める4つのポイント(前編)
分析が終わってからが業務改善の本番
業務改善を進める上で、そもそも問題発見が出来ていないといけません。
また、問題が見えた後は、問題の課題化(解決の方向性を決める)を行う必要があります。
そして、課題形成がされてからが業務改善の本番です。
業務改善とはここから始まります。そして、ここからがもっとも重くて険しい道のりです。
「なーんだ、だったら止めた!」と思われるかもしれません。
全体のパワーを10とした時に、
業務分析にかけるパワーが多いほど、業務改善に残された余力は少なくなります。
一方で、業務分析にパワー(期間や労力、費用)を多くかけている会社は多く存在します。
しかしながら、本来は業務分析を2のパワーで行い、8のパワーで業務改善を行っていただきたいのです。
そのため、業務分析には手順やツールの活用が有効なのです。
手順がわからないので、試行錯誤をしながら業務の集計や分析を手で行うと、
あっという間に業務分析に8のパワーや下手をすると10のパワーをかけることになってしまいます。
でも何度も申し上げますが、ここからが業務改善の本番です。
これまでのコラムでは、パワーをかけずに業務分析を行う方法について記載してきました。
今回は、前編・後編の2回に沸分けて、業務を改善する上で重要な4つのポイントについて解説します。
■業務改善のポイント その1【ゴール設定】
「業務改善」という言葉は漠然としており、非常に広義です。
「業務改善」「プロセス改革」「働き方改革」という名称でプロジェクトが
立ち上がりますが、何をするためのプロジェクトなのでしょうか?
もちろん、「生産性を向上させる」とか「売り上げを増やす」などの目標が
掲げられているとは思いますが、
・何のために
・どのような手段で
・どうなって欲しい
ということを具体的に示す必要があります。
「何のために」は、それこそプロジェクトが立ち上がった背景には
問題/課題があったと思います。これを明確に掲示する必要があります。
「どのような手段で」は、そもそも決まっていればそれに越したことはありません。
RPA導入でとか、システムの再構築で、など。
決まっていないのであれば、それ自体は問題ではありません。
決まっている方が、プロジェクトをスムーズに立ち上げられます。
「どうなって欲しい」、これが正にゴールです。
「生産性向上」と言った場合は、何がどうなったら「生産性が向上した」という指標が必要です。
残業時間の30%削減などは最もわかり易い目標かもしれません。
要するに計るものが必要なのです。
減らすだけがゴールではありません。
減らした分を他の業務に当て、増やすのもいいでしょう。
事務作業時間を削減して、お客様と接する時間を増やすなど。
業務改善は省力化と増力化をセットで考えるといいでしょう。
また、意外とゴールは人によって違う場合があります。
経営者は経営に直結したゴールを求めますし、現場は効率化を求めます。
経営者のゴールを実現するためには、業務時間が増えるかもしれません。
そのためにも、ゴールを明確に掲示する必要があります。
■業務改善のポイント その2【改善施策の選択】
業務改善の手順は大きく以下の通りになります。
現状の把握 ⇒ 問題抽出 ⇒ 課題設定 ⇒ 改善施策考案 ⇒ 改善活動
改善施策については前回少し触れましたが、もう少し詳しく説明しましょう。
ひとつ申し上げておきますと、ベストは無いと思ってください。
それは何故か?
人と人とに出会いがあるように、改善施策も出会いです。
例えば、
「システムが二重入力になって手間がかかっている」という問題があって、
「データが連携できるようにシステムを改修する」という課題を設定したと
しましょう。
でも、今回はシステム改修の予算が無いので、システムを改修できないと
なったら、これは解決できない課題となってしまいます。
ところがある時偶然、「RPA」という存在を知り、これならシステムを改修
しなくても解決できそうだ、となるかもしれません。
ここで、「RPA」またはそれに代わる解決方法に出会うか否かで改善施策が
変わって来ます。
では、どうやったら出会えるのでしょうか?
まずはWebサイト。昔はこんなものは無かったのでいい時代ですね。
弊社も最低でも1日数件は、なんらかのコンタクトがあります。
例えば展示会なども、いい出会いの場でしょう。
私は人ごみが嫌いなので、あまり行きたくは無いのですが、たまたま行った
展示会で2社のソリューションを自社の問題解決のために採用しました。
人に聞く、専門家に相談するのもあります。
自分でいくら考えても、自分の知っている範囲でしか解決方法は出て来ません。
人と人との出会いの手段がたくさんあるように、問題解決の手段も行動しなければ手に入りません。
しかも、解決方法はあればあるほどいいのです。
「たくさんあると混乱してしまわないか?」と思うかもしれません。
複数の解決施策の中から、
・効果は大きくはないが即効性があるのか
・予算内に収まるのか。
・予算以上だが、それ以上の効果が期待できるのか
・実現性が高いのか
など、それこそ最初に設定したゴールに照らし合わせて、これらの解決施策を
マトリクスにして、最終的には予算が必要なものは上申するでしょうし、
予算が無いのなら、無いなりの施策を選択することになるでしょう。
このように必ずしもベストの選択はなくても、事情によりベターな選択を
することになるのが一般的です。
まとめ
本日のことは以下にまとめます。
1.業務改善のゴールを設定する。改善のゴールは人によって違うので共通認識
を持つ必要がある。何がどうなったら改善活動は成功なのかを定義する。
2.行動を起こして、できるだけ最善の改善施策に出会う。
ベストは無くてもベターはあります。
後編では、その先に必要な改善計画と実行計画について解説します。
ここまでやって初めて、業務が改善されることになります。
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