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「ふるさと納税」について思うこと

先日のニュースで「ふるさと納税8,000億円突破 最高更新」という見出しを目にしました。
近年ブームになっている「ふるさと納税」ですが、筆者はこの制度を、まだ利用したことがありません。
身近な友人では利用している人もおり、以前自宅にその友人が遊びに来た際には、
ふるさと納税の返礼品でもらったというチーズケーキを手土産にいただいたこともあります。
「自己負担金2,000円で地方にお金を寄付して豪華な返礼品をもらう、ただし手続きは面倒」
といった認識でいたのですが、実際はどうなのでしょうか。

《自己負担金2,000円で豪華な返礼品がもらえるしくみ》

そもそも「ふるさと納税」はどのような制度なのでしょうか。
ふるさと納税とは2008年5月から開始された「寄付金税制」で、
地方と大都市の格差是正・人口減少地域における税収減少対応・地方創生を主目的とした制度です。
好きな自治体を選択しお金を寄付すると、2,000円を超えた分は
住民税・所得税から控除され(上限額や必要手続きアリ)、
寄付した自治体からは返礼品がもらえる、といったものです。
手続きに関しては、制度が始まった当初は確定申告による手続きが必須でしたが、
現在は「ワンストップ特例制度」というものがあり、これを利用する(諸条件アリ)ことで
確定申告なしで住民税控除の手続きができるようになっています。

人気の返礼品としては
・和牛
・お米
・果物
等、地元の農産・畜産物が多くありますが、中には
・ビール
・ジェラート
・トイレットペーパー
・ホテル等の宿泊チケット
といったものまで、幅広いジャンルのものがあります。
まるでネットショッピングのような品ぞろえですが、あくまで「寄付金の返礼品」です。
そもそも収入のない専業主婦の人は税金控除のメリットがありませんし、
控除される寄付金には、収入に応じた上限額もあります。
ふるさと納税サイトを検索すると、様々なジャンルの返礼品を探すことができると同時に、
初心者向けにわかりやすく説明された「ふるさと納税の手続きのやりかた」「控除額の上限チェック」等の
ページがあるので、実際に始める際には一度目を通しておくことをお勧めします。

納税者にうれしいだけではなく、自治体側にもメリットがあります。
この制度を導入することで、返礼品としての地産品のPRをすることができ、
観光の誘致につながります。そして主たる目的でもありますが、
過疎化が進み税収が少ない自治体にとっては大きな財源になりうる可能性があります。
うまく制度を活用すれば、移住の促進による緩やかな税収アップよりも即効性があり、
収入を早期に確保できる点も大きいでしょう。

《ふるさと納税、もう一歩理解を進めて》

一見すると、納税者にも自治体にもうれしい制度のように見えますが、問題点もあります。
納税者側でも自治体側でも事務手続きが発生することはもちろんですが、
税収アップを狙った返礼品競争の過熱により返礼品目的の寄付が急増し、
主に都市部において、住民税による税収が減っているのです。
一時期には、寄附者を多く募るために、地元の特産品とは呼べないような旅行券やAmazonギフト券を
返礼品にする自治体や、寄附額の8割を返礼品に当てる自治体も存在しました。
これらの問題に対し、2019年6月には「返礼品は寄付金の3割以下であること」「返礼品は地場産品であること」等の
ルールが追加され、共通ギフト券などを返礼品は姿を消し、より本来の目的に沿うものに近付きました。
それでも市場拡大が進むことは都市部の税収減が進むこととなり、今後、制度の見直しも求められています。

また、いち消費者としてはついつい返礼品の豪華さばかりに目が奪われてしまいますが、
ふるさと納税には返礼品なしの「災害支援」や、支援が必要な自治体に代わって
寄付金を集める「災害代理寄付」等もあります。
なにかしら理由がないと「返礼品なしの寄付」を選ぶことはそうそうないと思いますが、
例えば自分の出身地や、以前ふるさと納税で豪華な返礼品をもらった自治体であれば、
災害支援の寄付も選択肢に含めることができるかもしれません。

毎年ふるさと納税を活用している方もそうでない方も、
本来の目的である「その自治体を応援する為の寄付」という事を思い出し、
一度、ふるさと納税サイトをのぞいてみてはいかがでしょうか?

Hori

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