世代間格差はどうして起こり得るのか
ある時代の人々をひとくくりにして〇〇世代と呼ぶことがあると思います。
「団塊の世代」、「バブル世代」、「氷河期世代」など。
最近であれば「ゆとり世代」というのもあったかと思います。
特にその世代を選んだわけではなく、
気が付いたら〇〇世代に分類されていたことがほとんどだと思います。
そしてどの世代に生まれて来たかで「有利」「不利」などの格差も問題になっています。
《生まれた世代で人生が決まるのか?》
バブル世代は就職に有利で、自分の実力以上の会社に就職できた時代とも言われています。
そうしてバブルが崩壊して、今度は逆に大変な就職難の時代がやって来て、
就職試験を何社も落ちてしまった経験のある方もいらっしゃるでしょう。
もちろん人生は多少なりとも得をしたり損をしたりして、運に左右されることもあるでしょう。
しかし、〇〇世代でくくられて、それで人生が決まってしまうのも、いかがなものかとも思います。
それこそ生きて来た世代で人生を大きく左右され、
それまでやって来たこと自体が否定されてしまうようにも感じます。
同じ環境で生まれ、同じ環境で勉強をして来たのに、生まれた世代が1年違うだけで
人生が大きく変わってしまうことなど、本来はあってはならないのです。
でも、実際には起こり得ているわけです。
どうしてそのようなことが起こるのでしょうか?
《新卒一括採用の弊害》
日本の多くの企業は、春になると新卒者を一括採用します。
採用された側も、どんな仕事をしたいというより、何という会社で働きたいかになり、
これを就職ではなく、「就社」と揶揄される場合もあります。
つまり新卒者は、何をしたいというより、どこで働きたいかが話題の中心になり、
どんな仕事に就くかは就職(就社)してみないとわからない状態です。
多くの学生達は、採用までの間に死ぬほど勉強をして、
即戦力となれるように備えることはほとんどなく、むしろ入社してからの社内研修を待ちます。
そこでひと通りの研修を経て、それぞれが部署へと配属されて行きます。
ようはこのプロセスを経たかどうかで、卒業後の「有利」・「不利」が決まって行きます。
仮に、全ての新卒者は就職までに一定の技能を身に着けて、それから採用されるとしましょう。
そうなると、就職した世代で決定的なまでの「有利」・「不利」にはならないのではないでしょうか?
新卒一括採用はいろいろと問題になっていますが、今のところ大きな動きはありません。
むしろ青田買い的に、新卒者を欲しがり従来通りの就職活動が繰り返されているのが、現実と思われます。
この新卒一括採用が、世代間格差を生んでいると言っても過言ではありません。
《ゆとり世代はどうだったのか?》
日本の教育は典型的な詰込み型ということで、「多種多様な経験をして人間性を豊かにするゆとりを大切にする」
ことを目的として、「ゆとり教育」というものが始まりました。
この結果として、世界教育水準ランキングは2019年5月では41か国中7位となり、
2022年6月では、14位となっています。
(OECD統計データより)
他にも数学的リテラシーや科学的リテラシーなどあらゆる教育水準で低下が顕著になっています。
(PISA国際比較より)
詰込みをやめた途端に、世界水準からどんどん遅れを取っているようにも見えます。
しかし最近では、メジャーリーガーの大谷翔平さんの活躍や、
いろいろなスポーツで活躍をしている若者も目立っています。
そう考えると「ゆとり教育」は失敗だったのかと言うと、あながちそうも言いきれず、
どのような人間像を作って行くのかが大事な要因であるようにも思えます。
少なくとも一括採用で就社をし、画一された人間像を作り出すことは世界的に見ても、良いこととは思えません。
むしろ就職するだけが人生ではなく、何か起業をすることも含めて、
幅広い視野を養っていくことが、世代で「勝ち」・「負け」になるのではなく、
どの世代であっても実力を十分に発揮できる社会づくりが必要なのではと思っています。
本来であれば、学生時代から将来どのような仕事に就き、将来はどのような人間像になっているのか、
そんなことを思い描きながら就職や起業に臨むのが、あるべき姿なのではと考えます。
ハリー
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